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▼されど幕紐

されど幕紐/
獅子幕を取り付ける為の紐の取り替え依頼だ



かなり前に一度依頼され、パズルの様に四苦八苦して付け直しした

また紐が切れて付け直ししなくてはならない・・・いやいや

長井市内のとある神社の獅子頭だが  マニアの方には思い当たるかな?





昭和八年の竹田吉四郎作と記されている

昭和三年に制作した総宮神社の獅子頭の直後の作という事だ

竹田氏は長井の歴代獅子彫り師の中でも、多くの神社の獅子頭を制作した優れた彫り師の一人

である

漆の塗りの仕上げもまた秀でている 今だ塗り立ての様だ

斉藤仏壇のご先祖かな?と推測している







何回かご紹介したが、こちらの獅子幕は見事な多色の獅子幕を取り付けている

西置賜では他に見た事が無い素晴らしいデザインだ

他と違った事を避ける、保守的な地域性からすると信じられない特異性を感じる幕だろう

こちらも以前は濃紺に波模様のモノクロであったが、古い多色の幕が発見され再現したと聞い

ている

染めの技術で多色の筒描きや、難しいボカシの技術を受け継ぐ職人は稀になってしまっている

長井の染めの文化をも伝える大変貴重な文化財だ


今回は幕取り付け用の紐とチョッとした補修の依頼なのだが、顎のヒビが気になる

残念ながら獅子振り達はこのヒビは気にならないらしい

舌の根元の両脇に広がるヒビは、良く破損する場所で激しい歯打ちに寄るものだ


さて、どうしたものか・・・・





2015/08/19 08:08 (C) 獅子宿燻亭4
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