▼山と人の物語 vol.5 『山が支える、誰かの働く場所』2025/05/18 15:49 (C) 森の恵み・山師からのお便り
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はじめに
山は、木だけを育てているわけではありません。
そこには、人の働く場があり、成長する場があり、
未来へつながる大切な営みが広がっています。
林業と福祉が交わる場所──
今回は、山が生み出す「誰かの働く場所」についてお伝えします。
誰にでも役割がある 〜薪づくりの現場から〜
私たちの現場では、薪づくりを通して、障がいのある方たちも多く活躍しています。
薪を作る仕事は、一見単純に見えるかもしれません。
しかし、そこにはたくさんの工程と役割が存在します。
玉切りされた丸太を運ぶ人
薪割り機で木を割る人
割った薪をきれいに積み上げる人
配達の準備を手伝う人
それぞれが、自分のペースで、コツコツと仕事に向き合っています。
「できた」「できる」という実感が、小さな自信を育てていくのです。
毎日の作業の積み重ねが、山を整え、誰かの暮らしを温め、
そして、働く一人ひとりの未来を少しずつ切り拓いています。
「できること」を見つけるサポート
福祉的な支援を取り入れた林業の現場では、
一人ひとりの“できること”に着目する工夫を大切にしています。
たとえば──
チェーンソーで木を倒すのではなく、割った薪をまとめる
複雑な機械操作ではなく、手作業でできる部分を担当する
外作業が苦手な方には、屋内で乾燥薪の選別をしてもらう
そんなふうに作業を細かく分解し、個々の強みに合わせた役割をつくります。
安全管理にも気を配り、
声かけや作業工程の見える化を徹底することで、
誰もが安心して作業に集中できる環境を整えています。
できることがひとつ増えるたびに、表情が変わり、
作業の合間には自然と笑顔が生まれる。
その瞬間に立ち会えることこそ、私たちの喜びです。
山も、人も、未来へつなぐ
山を守ることは、単なる自然保護ではありません。
そこには、人が働く場をつくり、育て、つないでいく力があります。
荒れてしまった山を整備し、
薪を生産し、
それが地域の人々の暮らしを温め、
さらに障がいのある方たちの働く場を支える。
山の循環は、そのまま「人の循環」につながっているのです。
持続可能な林業と、福祉の力を組み合わせる。
それは、これからの時代に求められる新しい山との向き合い方だと、私たちは信じています。
おわりに
山が育むのは、木だけではありません。
そこには、人の成長も、希望も、未来も、
静かに、しかし確かに根を下ろしています。
これからも私たちは、山を守りながら、
そこに集うすべての人たちの「働く場所」と「生きる場所」を支えていきたいと思います。
次回は、森と未来をつなぐ「植林」と「次世代への想い」をテーマにお届けします。
どうぞお楽しみに。