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●2007年1月
『手ぶくろを買いに』
今年はやや遅い冬のはじまりでしたが、あっというまに雪が積もり、銀世界になりましたね。
今回ご紹介する本は、新美南吉作の「手ぶくろを買いに」という童話です。
初めて雪が積もった日、冷たい雪で牡丹色になった子ぎつねの手を見て、母さんぎつねは、霜焼けにならないようにと、毛糸の手袋を買ってあげようと、その夜町へ出かけます。でも母ぎつねは昔、町で人間に追いかけられて、とても怖い思いをしたものですから、足がすくんで動きません。仕方なく、子ぎつねの片手を人間の子どもの手にかえて、銅貨をにぎらせ、かならず人間の手のほうをお店の人に差し出して、手ぶくろを買うんだよといって、子ぎつねを町に送り出します・・・
情感あふれる美しい言葉が印象的で、しーんとした森の中、枝からこぼれる雪の音や、その中を走る子ぎつねの足音が聞こえてくるようです。
あどけない子ぎつねと、それを見守る母ぎつねの愛情に、心が温かくなるお話ですが、最後の母ぎつねの言葉に、作者からの深いメッセージを感じます。
(新美南吉作・黒井健絵・偕成社)
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2007.02.10
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(C)
森の子ども図書コーナー
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