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●にゃん太郎1
にゃん太郎は星になってしまいました。
彼は生まれつき目が悪く、
音だけでこの世界を知っていました。
音のする方へ、振動の伝わるほうへしか、動けません。
精一杯の声で鳴き、自分はここだと教えているのでした。

みゃー
みゃー
みゃー

ミルクを飲もうとしてもどこにお皿があるのかわかりません。
『ちがうよ、にゃん太郎。』
一生懸命地面を舐めるにゃん太郎。
『ちがうってば…』
にゃん太郎はまだ一生懸命地面を舐めています。
おいしい匂いはするのに、
ミルクがどこにあるかわからないんだ。

2006.11.02
(C)ことえ老技抄

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