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▼書評を戴きました。

宮崎県にお住いの西村さんから、望外の書評をお送りいただきました。ここでご紹介させてください。

『七転八倒 百姓記〜地域を創るタスキ渡し〜
菅野芳秀 著
 「信仰はわたしの生き方」
 かつて、そう言い切ったクリスチャンの友人がいた。ならば著者の場合はこうだろうか。
 「百姓は自分の生き方」
 著者は山形県長井市の決して豊かとは言えない百姓の跡取りとして生まれ育つ。その運命を漠然と受け入れつつも、働いても働いても楽にならない百姓の暮らしから逃れるかのように東京の大学に進学。
 そこで出会った成田三里塚闘争での農民の姿が、その後の著者の人生に多大な影響を与える。大学卒業後、沖縄での生活を経て帰郷。
 小規模農家を淘汰するかのような国のさまざまな農業政策を批判。百姓と地域を巻き込み自然と共生する農を基礎とした循環型社会創りに取り組む。
 著者は「百姓」を差別用語としてではなく、堂々たる生き方として誇らしく掲げる。
 そして、逃げ出さなくてもいい堂々たる田舎を次世代にタスキ渡しすることが、地域を、引いては日本を創るのだと熱く説く。
 生ぬるい生き方をしているわたしが、本著のレビューを書くなどおこがましいが、実に天晴れな生き様だ。これに尽きる。
 本著だけではなく、著者のFacebook投稿を読む度に感じるのは、自身が生きる地域への限りない愛と自然への畏敬の念、そして、百姓としての誇りだ。これなくして、地域を牽引するリーダーにはなり得ないのだと思う。
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