▼山と人の物語 vol.4 『雪とともに生きる 〜冬の山と薪のはなし〜』2025/05/11 18:22 (C) 森の恵み・山師からのお便り
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はじめに
冬の山は静かです。
すべてが雪に包まれ、音も吸い込まれてしまうような、凛とした空気が広がります。
そんな中でも、私たちの仕事は止まりません。
雪に閉ざされた道を越え、凍てつく山へと入り、薪を届ける日々。
今回は、冬の林業と薪づくり、そしてその裏側にある想いをお伝えします。
白い静寂の中へ 〜冬の山の表情〜
山が雪に覆われると、見慣れた景色も一変します。
木々の枝には雪が積もり、地面の起伏すらわからない白い世界に変わる。
一歩一歩が慎重さを求められる、まさに“別の山”です。
けれど、そんな中でこそ感じられる美しさがあります。
朝の陽光が雪面に反射する瞬間、山の静けさが心に染み渡る時間。
私たちは、ただ作業をこなすだけでなく、この自然とともに生きているのだと、冬になるたび実感します。
雪の中の仕事術
冬の作業には、独自の工夫と覚悟が必要です。
雪に覆われた現場では、伐倒方向の見極めも一層慎重になります。
枝が雪の重みで垂れていたり、地面が凍っていたり──
夏とはまったく異なる“山の表情”に向き合わねばなりません。
配達もまた、ひと苦労です。
タイヤチェーンを装着し、凍結した道を走る。
吹雪で視界が奪われる中でも、安全に薪を届けるには高度な判断力が求められます。
スタッフの中には、月山道でチェーンが切れ、猛吹雪の中で救助された経験を持つ者もいます。
その経験があるからこそ、今では「雪道でも自信を持って走れるようになった」と語ります。
薪がつなぐ冬のくらし
冬こそ、薪がもっとも求められる季節です。
寒さの厳しい東北地方では、薪ストーブの火は、ただの暖房ではありません。
“暮らしの中心”であり、“家族の団らんの源”なのです。
そんな暮らしを支える薪を、自分たちが届けている──
その実感は、スタッフのやりがいにもつながっています。
「よく燃えて暖かかったよ」
「またお願いね」
そんな言葉をいただくたびに、
厳しい雪の中を越えてきた意味が報われる気がします。
おわりに
雪の季節。
それは厳しさの中に、美しさと意味が宿る時間でもあります。
山と向き合う者として、
薪をつくる者として、
そして人と人をつなぐ仕事をする者として──
私たちはこれからも、雪とともに、生きていきます。
次回は、林業と福祉の接点に迫る「山が支える、誰かの働く場所」をテーマにお届けします。
どうぞお楽しみに。