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▼2006年2月

2006年2月/
『てぶくろ』
 ある寒い雪の夜、おじいさんは森に片方のてぶくろを落としてしまいます。この暖かそうなてぶくろを見つけた、「くいしんぼうねずみ」は、てぶくろに潜りこんで言いました。「ここでくらすことにするわ」
 このてぶくろのお家に、次々と動物たちが訪ねてきて、一緒に入れてと頼みます。ぴょんぴょんガエル、はやあしウサギ、おしゃれギツネ・・他の物語では嫌われ役が多い、オオカミや、大きなイノシシ、そしてクマまで、この不思議なてぶくろの中に入ってきます。「私も入れて」「どうぞ」。繰り返される動物たちの会話は優しいリズムがあり、場面を追うごとに、煙突がついたり、窓もできたり、どんどんてぶくろが「おうち」になっていく挿絵も楽しいです。
 寒い雪のなか、てぶくろの暖かさをみんなで分かち合う動物たち。ギュウギュウ詰めのてぶくろが、破れてしまわないか、ハラハラしながらも、肩を寄せ合う動物たちに、読んでいる私たちも、何だか心があたたかくなるお話しです。
「てぶくろ」(エウゲーニー・M・ラチョフ作・うちだりさこ訳・福音館書店

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