▼矢尽き刀折れるまで2023/09/12 08:33 (C) 医療法人社団聰明会 みゆき整形外科クリニック
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前期高齢者になっている小生ですが、年間300日近く医療という労働をしているせいで、加速度的にあちこちガタが来ています。年を取るとはこういうことだという事を日々実感させられる毎日です。小生は整形外科医ですが、自分の体に整形外科的疾患がどんどん増えてきました。まず変形性頸椎症と思われる頸部痛が一週間に一度以上出現します。それと右肘最大屈曲時の内側部痛、レントゲンは撮っていませんが、たぶん変形性肘関節症でしょう。また、毎朝の早朝の左手のしびれ、これは手根管症候群と思われます。さらに早朝には右手がパンパンに張れ、握りにくくなり、右中指、環指は握って伸ばそうとすると引っかかって伸びなく、無理に伸ばすとばね様に痛みを伴って伸ばせるといういわゆるばね指になっています。両母指の付け根のCM関節も変形性関節症らしく、特に右がぞうきんを握ると痛い。これらの手の疾患のために好きなバイクに乗っていると、まず左手がしびれ、両肘が痛くなり、母指のCM関節が、ずきんと痛みます。今年山の中を走れるオフロードバイクを購入しましたが、このバイクに乗るとすぐに左手がしびれて感覚が鈍くなります。
そして、右中指にはもう20年位飼っているいる神経鞘腫と思われるごろんとした丸い1×0.5cm位の腫瘍があります。さらに以前からある腰椎椎間板ヘルニアで、腰痛、左臀部痛、左下肢痛、左母指のしびれがしょっちゅう出現します。次に若い時柔道で左足を軸にして右足を跳ね上げ相手を投げ飛ばしていたせいであろう左股関節痛、たぶん変形性股関節症でしょう。それと両膝内側部痛、これも多分変形性膝関節症でしょう。しかし、膝痛は一時痩せなくてはだめだと思い10kg痩せたので、だいぶ良くなりました。5kgもどってしまいましたが・・・。さらに現在右母趾内生爪の化膿がもう1か月以上治癒していません。
次々に自身の体に整形外科的疾患を増やしていっていますが、良いこともあります。外来で、患者さんが深刻な顔をしてやってきますが、「俺もその病気になってるよ。」というと、安心されるのか素直に小生の説明を聞いて、喜んで帰っていきます。また、あちこち痛いという患者さんには、「俺のほうが痛い箇所が多いな。」というと、これまた安心されるのか、素直にこちらの話を聞いてくれます。人間は、自分と同じ境遇にある人や、自分より悪い状態の人を見ると安心するという心理がよくわかります。
一生懸命働けば、誰でもいずれは体中に不都合がくるし、医者としてそういう患者さんを今までたくさん見てきました。我々のご先祖様達もほとんどの人々がそうやって、ボロボロになって死ぬまで働いてきたのです。小生の所属する医師会の諸先輩も皆死ぬまで働いていました。小生もご先祖様、諸先輩同様、矢尽き、刀折れるまで戦う、ではなくて働く所存でいます。
ちなみに、小生には整形外科疾患以外では、前立腺肥大症、高血圧症、今年はそれに長年の酒の飲みすぎによる不整脈が加わりました。内科の主治医は、3泊4日の入院によるカテーテル手術(アブレーション)を薦めてくれましたが、それが嫌で一生、抗不整脈薬と抗凝固薬を飲むこととしました。酒辞めると治る可能性もあるとの話なので、酒をやめてもう3か月一滴も飲んでいません。そのおかげかしょっちゅう痛かった左頭部痛の回数が減ってきたように思います。
人間は50歳を過ぎれば、余生です。60歳を過ぎれば病気との戦いです。今戦争をしているロシアとウクライナ人の平均寿命は戦争前から64歳ですよ。「年は取りたくない。」なんて小生の前で話する患者さん、「こんなに生きれてありがたい。」と思ってください。そうすれば、その痛みも大分和らぎますよ。小生もロシア人より長生きできて、あー、ありがたい。