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▼先祖

百姓やってあなたで何代目ですか?
こう尋ねられることがある。
で、だいたいこう答えている。

「先祖となるとどこまで遡れるか分かりません。
わが家は村の古農から分家して私で3代目です。
分家した私にとっての祖父は、その古農の長男でした。
でもまだ幼く、親たちは姉に婿をもらって家督を継がせ、
必要な労働力を確保したうえで、やがて成長した祖父には財産を分けてやり、
分家に出したのだそうです。
昔はよくそのようなことがあったといいます。労働力対策ですね。

その前までは、どこまで遡れるかが分からない程で、
お墓に行くとボロボロに風化し、
文字も読めない家の形をした墓石が数十基も並んでいました。
江戸のまた更に昔となることは間違いないようで、ま、言ってみたら、
私はどこを切っても百姓。
混ざりっ気のない百姓の子孫と言うことでしょうか。」
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