▼安仲家の獅子頭取材2018/11/06 08:20 (C) 獅子宿燻亭7
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飯豊町添川安仲家に獅子頭取材にお邪魔した。
安仲の姓は飯豊に1軒、長井に分家した一軒だけで珍しい姓で、調べてみると福岡に多く見られる姓だ。
現在11代目で2代目までは高峰にて足軽の井上姓だったが何かの手柄で安仲姓を拝領したと伝わってい
る。
弘法大師の像
居間の二段構造の古風な仏壇が目に留まった。中に煤けた祠があり、入り口には赤い布で覆われて
いて、如何にも大事な仏像の存在を漂わせている。見せていただくと僧姿の仏像で手に仏具の杵を持っ
た木造の着色された坐像だった。帰って調べてみると、杵は密教の三鈷杵(さんこしょ)と言う法具で
弘法大師(空海上人)と思われる。神棚に古峰神社のお札が多数保管されているので、日本の山岳信仰
の先駆けとなった勝道上人(しょうどうしょうにん)とも考えられるが持物が異なっていた。
ガラスケースに入った獅子頭を拝見すると、獅子頭の下に解説文が現れた。昭和60年12月12日長井市
九野本 竹田源芳製作とあり89才の時の作とあり源芳氏は獅子彫り師 竹田吉四郎氏のご子息である。
その九野本竹田家が下伊佐沢竹田家と安仲家が親族関係で、その縁で安仲家に買い求められたと言う。
源芳氏の獅子頭は初見で父の吉四郎氏の様に本格的な神社の振り獅子制作までは及ばなかった。
床の間上の神棚に煤けた小さな祠の中から大黒天が満面の笑顔で現れた。案内して戴いた家人も初めて
存在を知ったと言う秘蔵の神様だった。大黒天も久々のお天道様の光を浴びて喜んでいるようだった。
安仲家は飯豊町と長井市の境にあり歌丸水木地区の金比羅神社の目の前で山神神社も直ぐ近くにあっ
た。30年前、そのお祭りの獅子舞取材に子連れで訪れ一緒に氏子を回った事がある。戦時中、男達が
大勢戦争に行ってしまったが、獅子舞は途絶えさせられないと女達が獅子舞を行なったという逸話が
残っている。現在は獅子舞は途絶えてしまったと聞いている。