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▼お祭りシーズンも後半

お祭りシーズンも後半/
いつの間にか猛暑の夏が過ぎ、九月に入り祭りも各地で行われ祭りも後半になってしまった。

この二週目の土日でもお祭りが多く、今日は西大塚の薬師堂のお祭りである。

今年も獅子頭にトラブルがあり稽古中に軸棒が断裂した。軸棒は堅木イタヤカエデを木工旋盤で作って

9kgと重い獅子頭なので太めにしていたが、それでも衝撃には敵わなかった。





斯くなる上は、クワの柄に用いる樫を加工して軸棒に仕上げた。

恐らく、強く口を開けた時の衝撃が原因なので樫材と言えど安心できない。

軸棒の上の、もう一本の棒に特殊ゴムを巻いて衝撃のクッションになるようにしてみた。

さて、獅子は耐えられるだろうか?






先週日曜に西大塚八幡神社の獅子頭と獅子幕、警護棒を拝見した。

宮大工 金子熊太郎の末裔の方で、獅子舞の親方なのだ。









獅子幕のタテガミ部を古い幕から取り、付け替えをしたのだという。

獅子頭は竹田吉四郎氏と地元の金子豊夫氏の黒獅子二頭と、やはり同所の渡部重右衛門の赤獅子がある。

その明治初期に制作の赤獅子用と思われる、青と黒の神楽系の獅子幕を拝見した。

タテガミは麻系の植物繊維をよって作られたものと思われ、中央の幕に獅子毛模様が染め抜かれていた。

神楽系の獅子であれば獅子幕は二、三人用の小型幕であるが、長井の総宮系ムカデ獅子型に大きく作られている。

どちらかと言えば、白鷹系のムカデ獅子である。

長井市と隣接している川西町の神社は、西大塚薬師堂、八幡神社、中大塚熊野神社、東大塚羽山神社で、以前は

菊田に稲荷神社があり裸の赤褌姿で獅子舞していたという面白い記録もある。

いずれも赤い神楽獅子から、明治期以降に総宮系の黒獅子に移行している特徴がある。

その、大改革はどんな事情だったのか?・・・その理由を語る、残された資料は無い。

影響を及ぼしたと考えられるのは、獅子舞を伝えたと言われる今泉稲荷神社や近辺の河井や歌丸神社の

獅子舞が影響したのではないだろうか。

現在、川西町や米沢で残っている神楽系の獅子の形は「獅子回し」で幕の付いた獅子頭を持って家々を回り、

お札を配りお華(ご祝儀)を戴くというで、娯楽性や華やかさは少ないのだ。

総宮系の獅子舞を習って、祭りを盛り上げようとしたのではないか・・・。





小松の新山神社の獅子頭が入院してきた。平成27年に制作した獅子頭である。

新山神社の獅子舞の歴史も明治以前は赤い獅子から長井の梅津弥兵衛の作の黒獅子に変わっている。





鼻先に擦過傷があり落下したかも知れない・・軸穴部が割れて破損してしまった。

弥兵衛の獅子について以前ブログで述べたが、飛び出た目玉の黒目の淵に銀箔で輪郭がある珍しい獅子である。

後に昭和に入り犬川の龍蔵神社の佐藤耕雲作がモデルにしたが、銀箔部が金箔になってしまっている。

また総宮系の獅子の頬の部分の毛が無く、何かちょっと物足りない気がするが逆に剥き出した歯がよく

見える。



また雨足が強くなってきた。

雨樋が途中から抜けて、そこから滝の様に雨水が放出されるのでジャポジャボと派手に音がする。

一度直したのだが、また抜けた。

さて、今日お祭りの西大塚薬師堂の重い獅子の無事を祈るばかりである。


2018/09/08 08:44 (C) 獅子宿燻亭7
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