▼下矢野目の青木神社2018/08/30 08:47 (C) 獅子宿燻亭7
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29日、米沢市下矢野目の青木神社の例祭に訪れた。
前日は土砂降りの中、例祭前の準備中を当て込んで訪れてみたが幟旗は既に設置済みだった。
広い田圃の中の農家集落なので、朝早く天候を見て済ませてしまったのだろ。
例祭日のみの情報で、何時神事が始まるか不明の中であるが、獅子が有るという情報収集していた。
9時過ぎに到着したが、神社には誰もおらず向かい側のビニールハウスで人の気配があり声をかけてみた。
10時から神事という事で、総代が間も無く現れるという事で待機していた。
周りがやや黄金色に色付いた所と、まだ青々しい稲のグラデーションが、風に吹かれて揺らいでいる。
今にも雨が落ちてきそうな雲が、湿気と稲の香りを含んだ大気を押しつぶし濃縮している。
時代が変わっても、この変わらぬ風景に心惹きつけられるのだ。
その中で、お祭りの朱色の幟と白い幟が一際輝いて見える。まだ見ぬ獅子頭があの神社の奥深くに潜んで
眠りを貪っている姿が浮かんで来る。
すると一台の軽トラが現れ、かしこまって神社の細い参道を走っていった。
幸い私の事をテレビでご覧になったという会計担当の方が、総大長に電話を入れてもらい了解を得た。
突然の押し掛け取材にも関わらず寛容な対応に恐縮である。
早速神社拝殿にお邪魔し拝見すると、赤い獅子頭は米沢の芳泉町文殊や城南の皇大神社で見た獅子頭と類似
したものだった。やはり獅子箱や記名は無く、拝殿の記名札は見当たらなく残念だった。
何時か何処かで見つかるだろうと期待しているのだが、人見知りが激しい。
芳泉町文殊尊の獅子頭
城南皇大神社の獅子頭
この獅子頭はズングリした大きな鼻、と盛り上がった頬、大きな垂れ耳など独特の個性というか癖の強い
顔付きに作られている。比較的、破損や塗りの剥離し仕上げも簡略されている。
この獅子の額には宝珠が残っている。獅子幕は1.8m程で布製と馬毛のタテガミが取り付けてあった。
現在も、春と夏の例祭に獅子が集落を巡る「獅子回し」を行なっているという。
なんと・・朝から早くは5時半頃から開始していたが最近は社会情勢を考慮して6時に回り始めだという。
獅子頭の軸が顎の厚みに栓のような状態で差し込まれ、開閉の為の支点になっている。
類似したタイプの獅子頭に共通していて作者を分析する大きな特長だ。
舌も平面的で、頭を噛む為に障害にならないような配慮した形なのではないかと推測できる。
幕の中に入らず、外から下顎の奥の端の部分を握ってするタイプの獅子頭なのだろう。
近過ぎと言っても過言でない、隣の小其塚の稲荷神社は神楽系の獅子頭で、顔付きも違う。
まだ獅子頭の年代や作者、別当寺の関わりなどの調査材料が少ないが、獅子頭は神社にとって必須な
道具である。なんと、その形態の多様性に驚くばかりである。
現場では気づかなかったが神社神殿に興味深いものを写真を見て発見した。梁に大刀がある。
魔を払う為だろうか?