▼川西町時田八幡から小松新山、そして龍蔵神社2018/08/24 15:57 (C) 獅子宿燻亭7
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明日25日川西町は時田の八幡宮野例祭である。
ご案内を戴いたが、土曜お昼の出獅子では不都合の身である。
清酒を奉納し、ご免して戴いた。その帰り、小松の新山神社から獅子頭修理の依頼があったことを思い出して
総代宅へお邪魔した。
丁度、床の間に虫干し中の獅子頭、四頭が鎮座していた。やはり獅子頭が複数並んでいる光景は心が踊る。
今回の修理獅子は以前ウチで制作した獅子で、鼻先に二カ所の打撲の痕と顎の片方の軸棒部の端がめくれていた。
原因は顎を強く開けた時の衝撃か、獅子を落下させた時の衝撃の可能性が考えられる。
落下か何かに衝突させた場合はもっと打撲痕が深くなるのだが、そうでもない。
何れにしても、修理しないと大きな破損に広がってしまうだろう。
その他に鎮座していた獅子頭は明治三年の長井の梅津弥兵衛氏の作、飯豊町中津川の渡部 亨氏の作、
以前は子供の獅子舞を行なっていて記名は無いが、作風で渡部 亨氏の小振の獅子があった。
明治三年以前の赤い獅子もあるはずなのだが、どうしたのだろう?
修理の獅子頭を預かり、通り道の犬川 龍蔵神社に訪れた。
時田に向かう時、幟旗と境内に明かり、路上に多くの車が駐車しているので祭りなのだと察する。
獅子頭については写真を撮っているので、スルーしようとしたが車は自然と神社に呼ばれて行った。
龍蔵神社には、赤い獅子頭一対、昭和26年佐藤耕雲の作の黒獅子が所蔵されている。
赤い獅子頭は、置賜では珍しい様式で黒い巻き毛のヒゲがあり、神社神殿や拝殿木鼻の獅子風で垢抜けている。記名
に谷地住 高山正則とある。以前拝見した時には、耳は揃っていたが、両方左耳が欠損してしまっている。
あらら・・。
河北町谷地の名人高山文五郎の作風なのだが、しっかり高山正則と書かれているので困っている。
お隣の西大塚の彫師 金子貞則(ていそく)であると云う仮説を推しているのだが苦しい。
小松の詳しいオジサンの資料だと、獅子不在の空の獅子箱があり、それを確認したいと考えた。
明日、子供の相撲大会を行うらしく土俵の準備に忙しそうな方(宮守?)を紹介されて倉庫を見せて戴いた。
お祭り終わってからと申し出たが、荷物が出払っているので今がジャストタイミングらしい。
捜索が終わって片付けした状態
なるほど倉庫内部は投光器が照らして、ガランとしている。
最近こういう捜索の場数が増えて、パッと見て机の上の獅子箱を探し出してしまった。
表に「鎮守 御寶(宝)前 獅々」と書かれた蓋を開けると、箱の底に記名が書かれていた。
「慶應三載(年)六月十七日 大願主 江口万右衛門 奉(たてまつる)寄進獅子一頭 敬□」とあった。
神社木鼻の獅子と破損したらしい龍の彫刻も、無造作に置かれていた。勿体無い。喉から手が出る。
その他に、神鏡の箱の蓋があり記名を見ると「明治十四年奉納 江口繁蔵」とあり赤い獅子頭の内部記名と
同人物だ。随分神社に貢献された方なのだ。
倉庫の板壁にも奉納札を見つけた。
倉庫に奉納板とは如何なものか・・・?
現場では気づかなかったが、仕事場に帰って見て「獅子」の文字が見えたので獅子頭の奉納の記名板だった。
立てかけたパネルでその下が見えない。
かすかに獅子の文字の下に横棒が見えるので「一頭」か「一対」のどちらかだろう。
年代は明治29年(1896)・・赤い獅子頭の一頭には明治29年という記名があるので、この獅子頭の事だ。
そこの所が気になり出して龍蔵神社に確認に来て見て、倉庫を確認させてもらうと「一頭」と書かれていた。
すると、もう一頭はどうだろう? 別々に奉納されたという事だろうか。
倉庫で見つけた箱の記名にあった、慶應三年(1867)の獅子頭という事だろうか?
二頭の獅子の奉納時期に29年の時の流れがある訳だが、そんな感じには見れないのだが・・・。
宮司さんに獅子頭の盗難について聞いて見たが不詳だった。
倉庫の下の方に未確認の木箱があったが、荷物で出せず確認できなかった。
果たして謎の高山正則の作の二頭の獅子の奉納板との照合は如何に。