▼神楽獅子入手2018/08/23 09:44 (C) 獅子宿燻亭7
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模範的な神楽獅子を入手した。
獅子幕は勿論、全ての装備が揃った完品である。神楽獅子を語るのであれば最高の見本となるだろう。
塗も彫りも最高級のと見ている・・箱に記名があったが誠に疑わしい。
富山市橋北 天保 田村豊齋
筆跡がたどたどしいく新しい。昔の人の筆ではなさそうだ。
獅子頭を眺めていると、色んな事をポツリポツリと語り始めてくれる。
獅子頭の後部、木口に注目して見ると斜め・・鋭角になっている。大部分の獅子頭は90度かそれ以上に
作られている点が面白い。
以前収集した赤い獅子も同じ構造だった。
次に持ち手が、後部の右に布(獅子幕の再利用)を紐に巻いて太くして握る右手の取手の部分を作っている。さらに
下顎の舌の根元に左手用の握る部分を作った構造である。また獅子頭内部に被り、舞う為に軸棒を薄く削り
噛みやすいように工夫がされている点には驚いた。
正に本職の神楽師が用いていた証拠ではないだろうか。
この右手と左手の取手は白鷹町鮎貝系の獅子頭にも見られる共通した特徴だ。
白鷹にも神楽獅子があった記録があり、神楽獅子から現在の舞に発展したのではないか。
タテガミは和紙で幾層にも重ね細く切って作られていた。両耳の軸棒の根元にも取り付けられ三つのパーツに
なっているので、ヤクや白馬の毛を植える毛穴を開ける必要はなく獅子をより薄く軽く作ることが可能である。
耳のホゾ穴は耳の軸棒の太さより大きく彫られている。これは耳の軸棒に紐を通して中から稼動させる為だろう。
耳の下の巻き毛の彫りの端がシャープに黒の漆で描かれている。この形が重要で神楽の流派を表している
と聞いたことがある。三つの巻き毛が多いが意味合いはまだ不詳である。
奥歯に隙間がある。この隙間に刀を挟むんだりするのだろうか?
獅子の口に紐が二本付いていて、口がベロンと180度に開かないようにストッパーになっていた。
脳天や額に三本のシワを表す段差があり、宝珠や白毫は付いていない・・等と様々な特徴が見えてくる。
獅子幕も面白い。
尻尾の先が結ばれて重しになっている
獅子の取り付け口の下の部分が不可解
紙製のタテガミが尻尾まで丁寧に取り付けられている
誠に凄いコレクションを入手したようだ。