▼草岡津嶋神社獅子舞2018/08/19 07:57 (C) 獅子宿燻亭7
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15日、6時前に草岡の津嶋神社へ訪れた。
曇りがかって時折、雨もパラついてきて涼しい。
こちらにも、当工房作の獅子頭があるが、本日は時間がなく出獅子を拝見するだけにしよう。
こちらは黒獅子祭りでも人気の獅子舞でファンも多いと聞いている。
写真を撮るにしても、歌舞伎のように良いポーズでビシッと決まる瞬間があるのだ。
歴代の角力が役者的魅力を醸している。
境内鳥居のすぐ側に花場という受付する場所を設置する。紅白の幕で目立つようにし、戴いた御祝儀などを
紙に書いて張り出したりもする。以前は、何十枚も掲示して盛大さを誇示したものだが最近は、そう多くは
見かけないようだ。こちらにはお二人のベテランが詰めて談笑していた。一段高く設置されているので
祭りや獅子舞を俯瞰し監視できるので特等席でもあるので警備の役割も兼ねているのかもしれない。
その花場で話題になった話は、神社紋が最近以前の家紋とちょっと変わってしまったと言う。
神社家紋は木瓜(モッコウ)紋といってキュウリの断面の様な文様であるが、少し潰したように横長である。
確かに役員のハッピの背中の門は正方形に収まるデザインになっていた。
新しいデザインを調べて見ると、木瓜紋なのだが織田木瓜紋といって以前とは明らかに違っていた。
以前、草岡の熱烈な神社信仰者たちは神社紋を象徴するキュウリは食べなかったそうである。
写真を見ると鯉の短冊の化粧回しもデザインが新しくなり立派である・・新調したのだろう。
石の鳥居もピカピカだった。
昨今、衰退する地域における神社組織で、神社や設備管理をこのようにキチッと行える事は誠に
行える事は稀で、誠に素晴らしい地区である。
またこう言う話もある。
戦前だろうか・・時代は定かでないが、今風に言うと上から目線の駐在さんが草岡に居たそうだ。
昔は水道がなく、沢水を各家庭で使っていて「入り水」を上水として使っていた。その駐在さんに子供が
生まれたが、その上水でオシメを洗ったりと様々の職権濫用し威張っていたので地区民は鬱憤が溜まっていた。
ついに神社のお祭りの日、獅子舞がその駐在さんを幕の中に引っ張り込んで、袋叩きにしてしまったそうだ。
この話は大問題になり、裁判沙汰に発展したが、結局「神様の下した天誅」と言う事で獅子は無罪放免になった
と言うような意の話を聞いたことを思い出した。
古い黒獅子祭りのテレビ放送で古老が語っているので、ビデオをお持ちの方はご存知かもしれない。
その伝説の為か、草岡の獅子舞は夜10時までは決まって神社に入るそうである。
もう一つ思い出した。
市内の九野本出身の竹田吉四郎の獅子頭がこちらにある。
大正から昭和初期に教員退職後、獅子頭を数多く制作した獅子彫り名人である。
津嶋神社の獅子頭新調直後すぐに獅子頭が目の上から割れてしまった。
竹田氏はこの獅子頭を使用しないようにとの約束を書き留めた書を掛け軸にして残している。
自然物の木材の危うさなのだが、それを見抜けなかったという竹田氏のプライドもズタズタだっただろう・・。
察するに余り有る話である。
いやぁー草岡の獅子舞は絵になるねぇー