▼米沢市一宮神社に一対の獅子頭2018/07/13 08:43 (C) 獅子宿燻亭7
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12日米沢市東町の皇大神社に訪れると例祭の準備が完了していた。社務所の宮司さんに尋ねると
こちらは著名な酒蔵があり樽神輿が町内を回るが、獅子は出ないそうだ。大正六年の米沢大火で消失して
一切それ以前の事は不詳だという。太田町熊野神社や大町の八幡神社を兼務する山大前の一宮神社に訪れてみた。
すると、拝殿に例祭のポスターが掲示され7月18日19日と間も無くお祭りであるが獅子舞渡御の案内はなかった。
お祓いを終えた宮司さんに獅子頭の話をすると・・・古い獅子頭があるという。
すると神殿から、何十年も陽の目を見ていないような獅子頭を運んで戴いた。
鼻先の塗面が剥がれた桐の獅子頭は、今自宅に預かっている芳泉町文殊尊の獅子頭の作風と同じである。
芳泉町の獅子頭の記名に東町の塗師、嶋屋新兵衛 明治七年とある。しかし作者の記名が不詳だ。
芳泉町文殊尊の獅子と同じに塗りの下地が脆いので塗師も嶋屋新兵衛だろうか。
もう一頭は、作風が違う。眉毛の造りが白鷹の鮎貝八幡宮野獅子や笹野観音の獅子頭と似ていて、もっと面長に
すれば鮎貝の獅子にそっくりである。
目付きが鋭く、引き込まれるように魅入ってしまう獅子頭だ。
後ろから見ると二頭共に新しく白木の持ち手を取り付けて改造している。顎の構造が似ていて、特に舌の作り方
が共通しているので同じ作者の可能性もあるが断定できない。
例祭が終わったら、ゆっくりクリーニングさせて貰い調べさせて戴く提案をした。
自宅に戻り、画像を拡大してみると木口に記名らしき物も見える。
埃を払えば記名が出てくる可能性がある。
芳泉町文殊尊や、こちら城南一宮神社は大正六年の大火を免れて、辛うじて残った貴重な明治以前の作の獅子頭
なので今後詳しく調査したい。
拝殿の梁に祭りの行列に用いる四方をつかさどる天の四神である、玄武、白虎、朱雀、青龍を見つける。
すると獅子頭の他に、古い神輿の銅製の鳳凰を見せてもらった。本体の神輿はなく、これだけが残っているという。
台座の内部に墨で記名が残されている。難解な文字で未解読だが、文政七年(1824)は判別出来た。
だいたいだが
神具卸 万屋 利三郎? や家内安全とかわずかに読み取れるが後は専門家に見てもらおう。
米沢には、まだ手付かずの獅子頭文化がまだまだ残っている。今週末市内で祭りが多発し調査スケジュールが
大変な事になっている。