ヤマガタンver9 > レディー・カカァの活躍

深い霧の中から、昇る陽が東の山を割る。

ヒンヤリした空気の中を、チビ助が学校へ向かう。







朝から爆発してしまった。
レディー・カカァの仕事にである。

結構高価な電気釜をぶん投げ、ご飯をぶちまけた。

ここまでしないと、レディー・カカァの心に俺の意志が残ってくれないからである。
経験的に分かっているので、非常に懐と心に痛い行動なのだが、意識して行う事にしている。

決して、プッツンして訳分からなくなり、暴れまくる危険な変態オヤジではないのであり、行動における効果を期待して、冷静な判断のもとに暴れる？のである。
そこのところはしっかりお知らせしておくのである。


以前は、４２インチのハイビジョンテレビを窓からぶん投げたが、
今朝は電気釜である。


事の発端をご説明致そう。

先日、新米を味見した訳であるが、それはそれは美味しいのかどうなのか分からなかったのである。
何故か・・・・・。
いきなりの炊き込みご飯であったので、まあ、不味いはずもなく、炊き込みご飯であった。
新米を味見すると言うのに、いきなり炊き込みご飯と言うのも、まあ、レディー・カカァならあり得るが、その時は優しくこう述べる訳である。
「あのさぁ、新米の味見だから、白米で喰いたいね〜。」
次の朝はさすがに「白米」であった。

うんうん、今年も良くできた。
つやヒカリになっちゃったけど、つや姫とコシヒカリの特徴を併せ持つお米だ。
これなら、買ってくれた皆さんにも喜んでもらえるだろう。
米つくり農家としては大失敗だったが、次からはこのような失敗は許されないからな、と、まあ夫婦で確認し合う訳である。

昨年のお米がまだ結構残っているので、新米の味見はホンの味見なのである。
主食として食べるには、昨年のお米を食べてからである。

お客さんや、セレモニーがあれば新米で良かろうが、コメ農家であるからして、お米を無駄には出来ない。

昨晩の事。
新米を目の前に昨年の米では首が長くなるだろうと思い、今まで分づきで食べていたお米であるが、
「明日から、新米食べるまで昨年のお米は白米で食べよう。その方が美味しいだろうから。」

そう言った矢先である。

今朝のご飯。
真っ白でピカピカ。
見ただけで新米と分かる。

先ず、ご飯茶碗を空に飛ばした。
一口、二口小言を飛ばし、次に窯をぶん投げた。

レディー・カカァは人の話を聞いていない。
聴いていても、右耳から入った言葉はそのまま左の耳から出てしまうのであろう。
大きな出来事がないと、言葉や想いは脳に留まってくれないのである。

家の保有米を売ってしまえ。
新米を喰い始めたら、古米を喰うのが嫌になるほど新米は旨いのだ。
昨年のお米を無駄にする気か。
米をつくる苦労を分からんのか、ただでさえ今年は間違ってコメを植えてしまい、多くの方々にご迷惑をかけて、それでも救ってもらっていると言うのに・・・。

この前新米喰ったのは、食べてくれる人達に、不味い米売ってられないから、そのための試食だぞ！

全部米売って、うちではスーパーから米買って喰った方が良いようだ。
そうしなきゃあなたはお米の大切さを分からんのではないのか・・・。

人の話、聞いてるか！！？？


と、やった訳である。


モノを大切にしてほしいのである。
お米農家だから、コメなど捨てる程ある、などと思ってほしくないのである。

混米を作ってしまい、当初は本当に立木からロープでぶる下がらなきゃならないかと思った。
胃と腸が捻れてしまうのではないかと言うほどの危機感があった。

励ましの言葉や、そのお米を快く買って頂き、皆様に助けて頂いて、ありがたいと思った。

それを忘れずに生きていきたいのである。
レディー・カカァにもそうあって欲しいのである。

なかなか大物である。

ウッフッフ・・・・大物だ・・・・・レディー・カカァ・・・

ふふふ
ふひひっ

わりと
昔から
（奥殿と連れ添ってからね）
腹に据えかねると
物投げたりしてる？

なんか、奥殿のその反応だと
たぶん

奥殿慣れてるよ

奥殿ビジョンには
熊殿の脇あたりに
「怒りのゲージ」が見えててさ

これぐらいだと
ボヤくな
これぐらいだと
声を荒げるだろうな
このへんになると
物にあたるな
あ〜ここまで溜まると
あばれだすぞ〜

ってな塩梅に

ふひっ
奥殿大物

まぁ、新米は
間違いなく旨いからね
もうちょっと旨い米食ってたい気持ちも大わかり！

でも、古米も
優しく丁寧にといで
酒とか天然塩で炊いたらかなり旨いよね

好みの味や粘りや甘みになるように
自分で何種類かブレンドしたりね

でも…何となく…
奥殿は、食に対する執着が稀薄なタイプっぽいの
だから、新米でも古米でも米は米
手近な物から消費して何が悪いの？
どっちも米なんだから同じでしょ！
って感じがする(笑)

ふひっ！

あはは・・・・
参るね・・・・
で、さ、今日宣言したのさ。
来年の新米が出るまで、俺は俺の作った米は食わん・・・・と。

俺の喰う分は、津波被害の方々におすそ分けしようと画策。

誰にも言わんで、明日、チビ助と宮城に俺の喰うはずだった新米を持って寄付してこようかと思ったのである。

あまりに…悲しい現実・・・

俺は酒飲んで死んだ方が良いのか・・・・なんてね。
そうも思うよ、長い秋の一日仕事。


はぁ〜・・・・・・
はぁ〜〜〜〜〜〜〜

俺の命など、ささやかなモノよ（笑）
ちょっとカカァは大物過ぎて悲しい。

直接出向いて
長距離運転するなら
気をつけてね



物事に対する価値観や執着は
それぞれだにょ

「腹に入れば何でも同じ」
って考える人に
旬や産地の話をしても意味ないし

「雨風しのげて走ればいいや」
って人に車の話をしても無駄だろうからにょ

こだわりがないぶん
大らかで柔軟なんだにょ


ってか

自分の米だけを食わないの？
他の米スーパーで買うの？
それとも
小麦とかタロイモとかの
他の炭水化物で生きるの？


………にょ

自分の米だけ喰わない訳さぁ、人の米は食うよ（笑）
そりゃ、日本人なら普通の行為であるよ。
大多数が人のお米喰って生活している。
そういう実態をレディ・カカァは知らなければならないのである。
コメ農家が特殊な訳で、それを敢えて再認識する必要がありそうなんだ、うちでは。

人様のお口に入るものを作ると言う事は、そういう厳しさがあっていいのだと思う。
甘えてりゃ十数万円の米平気で売れるわ（笑）

つうか、俺の自宅消費の米は・・・・・
俺の米でなくても平気そうな感じで・・・・・
口にはいりゃ何でもよさそうな訳で・・・・
なんか悲しいね〜


そんなコメ農家は嫌だ。

自覚しなきゃいかん。
家族の代表として、俺の精進が足らんのだろうね〜

だから俺の米断ちって訳だ。
酒と煙草は死ぬほど頂くから心配ないのである。

明日は雨
ドライブには丁度良いかも（笑）

先週、宮城沿岸部を走行する機会がありました
倒れた木、折れた標識、曲がった冊、一階部分が壊れた家々、ガレキの残る田んぼがしばらく続きました(;_;)
美味しい新米は、頑張っている方々の力になると思います。そして、生産者が食べないと贈られた方々も遠慮して食べないと思うので、たまには23年産自家米食べて下さい(^^)

うむ…
｢やっぱ父ちゃんの米でないとダメだ｣
って言われたいねぇ

でもさ、それってかなり大変にょ

産まれてから
自分で食を選べる身分になるまで
の育つ環境がそうさせると思うにょ

オラが食に対して小うるさいのは
食い道楽だったオヤジのおかげだにょ(笑)

そんなオラのせいで麦娘達も
食に対して小うるさいにょ(笑)

相方も
最初は
｢肉さえあればいい｣
｢残して何が悪い？｣
タイプだったにょ

オラは１９年かけて
｢旬の物は安価でも、時季外れの高級品にも勝る｣
｢もったいない｣
って思えるようにしたにょ

熊殿も地道に精進だにょ


行くの？
雨のドライブ気をつけて

オラも久々に遠出したいな…
でも運転面倒(苦笑)

宮城方面に行ってきた。
お米は持って行かなかった。
「混米」では、お前が失敗した米を人に喰わせる気か・・と笑われそうで、気が重いのでとりあえずやめた。
レディー・カカァはそんな気もさっぱりないので気楽なモノよ（笑）
米は食ってません。
そういうところがバカ正直なものだから、責任を負うと言う信念に基づいて食べられないのである。
誰かが助かるように買って食べた方が良いのかもしれん。

社会のつながりを断つことは難しいが、その中の一員であると認識することも尚更難しいようだ。