ヤマガタンver9 > 水鏡のごとく。。その10

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▼水鏡のごとく。。その10

水鏡のごとく。。その10/
それから、更に、何週間
か経った ある日
佐知子和子の弟、宏樹夫婦が
これからの準備の為に実家に泊まりに来た。

家主の居なくなった庭は、草木が成長していた。

どーれ、庭でも少し綺麗にするか?!
妻の奈津子に言った。

そうね。御父さんが亡くなってからは、あれ放題に
なってきたもんね。

宏樹は、父親の着ていたものを借りて 庭の手入れを始めた。

ようやく、庭が綺麗になった。

少し、夕食の買い物でも行こうか?

あら、もう、こんな、時間?
すぐ、行きましょう。
ついでに、仏壇も見に行きましょうね。。

知り合いの仏壇屋さん
から声がかかっていた・


急いで、車に乗り
仏壇屋さんに向かった。

あれ、道はこっちだった?ここは、どこかな?
今は、東京に住んでいる
二人にとって、
たびたび、地元に帰ってきても、昔と違い、地理感覚も薄らいで来ている場所もある。。。


迷っちゃったかなぁー?

目の前に、大きな旅館が
見えた。

誰かに聞こうと思い宏樹は、ポケットから携帯を取り出そうとした。

あっ、父さんの服のまま来ちゃって、携帯
忘れてきたよ。。。

宏樹がポケットに手を入れると領収書が出てきた。
、、
自分達の目の前に
はだかっている、旅館
の名前の領収書。

日付は、父さんが入院する、2日前。

そう言えば、懐かしい昔の職場の友と
泊まりに行くと
言っていたのを思い出した。

なんで、こんな所に着いたのかね?
きっと、御父さんが、ここに泊まって楽しかったと
教えたかったのかもね。。

少し重苦し雰囲気の中
再び仏壇屋さんを
目指して車を走らせた。

〜更に、続く〜
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