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▼水鏡のごとく。。その9

水鏡のごとく。。その9/
亡くなるときに佐知子は、父親の耳元で、叫び約束をしていた。供養は、絶対に忘れない!絶対に!安心して!それを聞いたであろう、父親の顔が、全く、苦しまず、穏やかだった。。。七日毎の法要が毎週滞り
なく進んでいった。

毎週 、父さんは修行を積んで
あの世への入り口へ進むんだねぇー
皆で、話をしていた。

葬式の時もそうだったが、兄弟の心には、父親との
想い出が それぞれに
蘇っていた。

佐知子は、初めての
子供である。
きっと誕生時には、凄く
喜んでくれたに違いない。
実際、兄弟の中でも一番
写真が多い。
河原に小さい時に行った事や今までの事が 走馬灯の様に思い出される。



亡くなってから14日が経った頃だった。
再び 和子に異変が起きた。
和子が帰りが遅くなった時、風も無いのに急に
玄関の風鈴が 優しく
チリリンと何回もなった。
無風状態の夜である。
まるで、それは、ありがとう。
また、一段、あの世への階段を登るよ。。
と言わんばかりの現象である。

更に、この日は
和子に、父さんが深夜現れた。

それは、現実か夢か。
体が重苦しく動かない
父親の顔が見えた。

和子は、ある問いかけをした。
それは、誰もが、どうなっているかわからない、墓の権利書のこと
。。

どうなってるの?
あるの?
ないの?

まずまず、こっちも、色々、今、かなり、やることがあって、忙しい。
何れにしても、もう少し待てば、全てがわかる。。
待っていろ!

そう、 父さんは
和子に語りかけた。

思わず和子は
抱き抱えた。
確かに、感触が合ったのが不思議である。


〜 更に、続く〜
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