▼4月27日(月) たどりついたら2009/04/27 11:41 (C) 向井の”つれづれなるままに”
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□たどりついたら原価公開だった 7
パート7
こちらにもアップしておきます。
住宅というものはどんな素晴らしい住宅であってもそれだけでは売れません。
人が介在しなければ何千万円という金額の住宅は売れないのです。
最近ではネットで販売してコストを下げるというメーカーもありますが、
現実にはネット販売というのは入り口だけのことで、
次のステップに行くのにはやはり営業マンがかかわらないと売れません。
そういう意味では最初にお客様に接触する営業マンの力が会社の業績に大きな影響を与えます。
ですからどこの住宅会社も営業マンに力をつけさせて実績を上げようと、
たくさんの費用と時間をかけて営業マン研修などをやっています。
当社の場合、人の採用ではなかなか思うような人材を採用することがかないませんでした。
もちろん、小さな聞いた事のないような無名の企業で、
しかも住宅の販売ですからイメージ的にもそんなに人が集まる人気の業界でもないのです。
営業マンというイメージが、お客様にぺこぺこして卑屈な笑いをうかべてのお願い営業というイメージがあります。
そのうえ、飛び込み訪問や迷惑訪問、一方的な売り込み電話などなど、
どう考えてもこの仕事をぜひやりたいと素直に思える人はそうはいないのです。
そんな中で人を採用し、営業マンとしての教育をしなければならないわけで、
今まで自分ひとりで売っていればよかった次元から、
ちょっと違うレベルの仕事をしなければならなくなってきたのです。
もちろん私がリーダーとしての力量を備えていて社長になったわけでもありませんので、
その点ではなかなか思いどおりに行きませんでした。
特に私共のような零細企業で営業したいというような応募者は、
いくつもの会社を転々としてくる方がほとんどでした。
はっきり言って問題社員も入社して来ました。
というより当初は問題社員しか採用できなかった状況でした。
最初からそれが分かれば問題ないのですが、なかなかそうも行かなかったのです。
人を見る目なんて簡単には付きませんからね。
そうやって入社した社員は、
朝は時間通りに来ない。
数日間、無断欠勤で連絡が付かなくなる。
もちろんサボリなどもあります。
勝手に値引きをしてくる。
注文をもらったと会社に報告していたが、その注文書にウソのハンコを押していた。
電話で確認したら申し込みなどしていないと言われた。
そういうウソを平気でつく社員。
なかでも、ひどかったのは社員が辞めた後、
机を整理したら自分で作った当社名のハンコと領収書が引き出しから出てきたこともあります。
犯罪の一歩手前です。
思い出すだけでも暗い気分になるような話が満載でした。
でも、なんとかそういう人材あったとしてもしっかりと教育して、
仕事をさせなければならないのが業界の現実だったのです。
確かに私が経験したように住宅を受注したときの感激はなにものにもかえがたいほどの喜びですが、
通常の住宅営業マンの仕事は土曜日や日曜日が仕事になり休めませんし、
お客様との打ち合わせはお客様が仕事を終わってからですから、夜の時間帯になります。
打ち合わせが終わって会社に帰って事務処理をすると帰宅が深夜になります。
まだそれは良いとしても、お客様の家へ夜の時間帯に迷惑訪問や、
迷惑電話などをやりながらの営業活動も精神的にきついものがあります。
高額の住宅を売るというイメージよりも、
それだけきつい仕事として誰もがやりたいというイメージの仕事ではないのが事実なのです。
だから住宅営業マンがほとんど家庭をかえりみないという現実に最後に待っているのは、
離婚・家庭崩壊という現実に遭遇する営業マンもこの業界には多いのです。
なんともつらい現実ですね。
もちろん中にはそれをなんとも感じませんという人がいるのも事実ですが、
そういう人は逆になかなか実績が出ないというケースが多いのです。
そんななか悪戦苦闘しながら中途社員を採用し教育していかなければならなかったのですが、
私の力量不足もあるのでしょうが現実はそう簡単に教育できるものでもないというのが現実でした。
・新卒採用
この現実をどう変えていこうかと考えました。
それには住宅の販売システムをプロ営業マンでなくても、
売れるような仕組みを作ることしか無いなというふうに行き着いたのです。
そのためには、言われたことをきちんと実行できるような人材を採用しなければということでした。
それならば白紙状態の新卒社員を採用し、
私が一から教育すればなんとかなるかもしれないと、
新卒採用一本に絞って採用活動を始めました。
会社を創業して10年も経ってからのことでした。
中途採用もままならない会社ですから、
当然新卒採用が簡単だったわけではありません。
まずどこでどうやったら新卒の学生と接触できるのかから始まりました。
高校や大学、専門学校などを訪問して当社に応募してくださいとお願いに行くことから始めました。
そうやって応募してくれた少ない生徒を集めて試験をし、内定を出しても、
結局は辞退されるということの連続で、
欲しい人材には逃げられるし、
ちょっとなぁ・・・・という学生しか残らないし、
本当に人の採用というのは簡単ではありませんでした。
そうはいっても数年間やり続けるなかで徐々に採用できてきて、
なおかつ入社後の新人の教育システムなども整備でき、
ようやく人が育つ環境が出来てきたのです。
そうやって採用した社員は、素直な子たちばかりでした。
ただ問題なのは、素直さだけでは住宅が売れないということです。
やはり、そこには経験にもとづく自信などが必要なのです。
それを補うために、新人でも売れる住宅をと考えて導入したのが、
アキュラシステムというローコスト住宅のシステムだったのです。