ヤマガタンver9 > 秋の天皇賞を解くカギ

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▼秋の天皇賞を解くカギ

今年の秋の天皇賞を解くカギは3つ。ペース、血統、コース、そして、世代格差だ。

まず、ペースと血統について。何度も言うが、SS産駒は淀みないペースに非常に弱い。道中、追走に脚を使ってしまい、最後の直線でおつりがなくなるのだ。逆に、強いのは、いわゆる「底力」系の血のインブリードが入った馬。先週の菊花賞も、バルクが作ったペースに人気SS産駒総崩れ。勝ったのはND3X4のデルタブルースだった。

次に、天皇賞のコース形態。「府中の二千メートルには魔物が棲む」と言われる。1コーナー奥のポケットがスタート地点の為、すぐに2コーナーでペースが上がる。過去の天皇賞で多くのSS産駒が惨敗した理由はここ。府中の二千メートルはSS産駒が得意とする舞台では決してない。

そして、最後に、世代格差。ずばり、現5歳世代が一番強い。今年行われた古馬混合レース(平場、重賞も含む)で圧倒的に勝っているのは現5歳世代。春の天皇賞、宝塚記念でも、現5歳世代の活躍と現4歳世代の情けなさが際立っていたのは記憶に新しい。

さて、今年の天皇賞。ペースはローエンの参戦でスローにはならない。SS産駒にはきついペースになる。くどいようだが、ここで大事なのは底力がある血統。そして、勝ち馬は必ず現5歳世代から出るとみる。

最有力は「府中はトニービン」の格言でおなじみトニービン産駒の◎ナリタセンチュリーと○テルグノシス。過去の勝ち馬にはチトセオー、エアグルーヴ、オフサイドトラップ。昨年3着のテンザンセイザは、何と10番人気。長くいい脚を使うが、加速に時間がかかるトニービン産駒に府中の長い直線はピッタリ。とにかく、府中は走る。

さらに、ナリタセンチュリーにはネアルコの5X5、テルグノシスにはナスルーラの5X5が入っていて底力は申し分ない。それぞれ、前哨戦の京都大賞典1着、毎日王冠1着。理想的ステップ。最強5歳世代。例年なら1、2番人気ではないのか?弱い現4歳世代のSS産駒が人気になってくれるおかげだ。3連単の軸2頭固定で勝負できる。

相手筆頭はNDの4X4が入っているマーべラスサンデー産駒シルクフェイマス。春の天皇賞でも大崩れせず、ハイレベルの宝塚記念で先行し、タップに真っ向勝負を挑んで最後までバテなかったのはこの馬だけ。これもND4X4のおかげだろう。これも現5歳世代。

現5歳世代で他に注目すべきはヒシミラクル。ナスルーラの5X5。バテないサッカーボーイ産駒。元来、叩き良化型で、久々でどこまで、といった感じだが、現役GI3勝馬。底力だけで勝つ可能性はある。調教が実践に結びつくタイプなのでどこまで調子が戻るか?最終追い切りに注目。

結論は「府中はトニービン。」距離と展開で◎ナリタセンチュリー。だが、○テルグノシスも差はない。安定感と展開で▲シルク。底力で一発×ヒシミラクル。今年の主役はズバリ5歳馬だ。

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おまけ

例外的に、過去10年で天皇賞秋を勝ったSS産駒は2頭。しかし、それには理由がある。99年に勝ったスペシャルは武のファインプレイ。前半3F 35.0−上り3F 36.3のハイペース。通過順14-14-12が示すとおり道中一度も脚を使わず、肝を据えて後方追走。直線半ば、SS産駒特有のキレを爆発させた。武ゆえに出来る芸当。今年はアドマイヤグルーヴで参戦だが、母エアグルーヴには、現時点で及ばない。無印。

もう一頭は96年のバブル。しかし、これはSS産駒が勝って当然のレースだった。なぜなら、レースは前半3F 36.3−上り3F34.7の上がりの競馬。通過順03-03-03のバブルは、当時、古馬3強と言われたトップガン、ローレル、マーべラスが後方で駆け引きしてる間に、このスローを利して先行して勝っただけだ。翌年は、トニービン産駒の牝馬エアグルーヴに直線差し返された。やはり、「府中の鬼」には敵わない。

2004/10/25 19:52 (C) 居酒屋ぎゃろっぷ
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