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▼上山市狸森菅の獅子頭

上山市狸森菅の獅子頭/
2025年8月6日
 上山市狸森の菅(すげ)地区に訪れた。

 先日飛び込みでお邪魔した山元地区公民館から元公民館長の長橋氏からの情報で、菅にも獅子頭が有り
前丸森の獅子頭と兄弟獅子とのお話だった。山形の㊀餌鷹神楽に伝わる450年前の獅子頭の兄弟獅子と
聞けば想像が膨らむ。一目見たさに居ても立っても居られぬ想いで険しい林道を進んで行く。

 菅集落に向かう数日前に地図やGoogleアースで菅集落を調べると急勾配の地形にあり、下見に訪れて
いた。前回の前丸森横戸家には、初めて住宅地図やナビを頼りに向かったので、同様に急勾配の林道に
面喰らった。雪国に住む身としては、どうしても坂に関して冬の通行や除雪を直ぐに考えてしまうのだ。
厳冬期はさぞかし4WDの車でも身の毛もよだつ恐ろしい道路事情だろう・・。

 横戸家で連絡して頂いた菅地区の平吹氏と合流し公民館に案内していただいた。年紀の入った公民館も
人口減少でほとんど使用の機会も少なくなったという。







菅の神明神社の例祭で毎年7月第2日曜日に獅子が地区を厄払いを行なっている

 菅の神明神社の例祭が7月第二日曜日で、本年も獅子頭で集落を厄払いして周ったという。さて、菅の
地区の獅子頭は前丸森横戸家の獅子とは一見にして風貌は異なる神楽獅子の作風で獅子頭の内部を確認
すると内部は漆が塗られず木地肌に墨で記名が残されていた。

「慶應元年(1865年) 丑(うし)  
奉納御寳前  
于(おいて)六月朔日(一日)
□□ 前丸森
   横戸林蔵

昭和二十八年 本家 長門屋(山形市十日町)塗替






記名の□の部分が解読出来ない。例えば「施主」なのか「刻人」で「注文した人」と「作った人」と意味
違ってくる。というのも横戸家の立派な仏壇に横戸氏の先祖が彫刻したという大日如来像を拝見したから
である。記名の横戸林蔵氏が獅子頭を制作した可能性があり確認が必要だ。


舌の根元に短い柄の様な部分がある 舌を動かす為のものだろうか?
前丸森の獅子にも同様のものがある



獅子頭は下顎が頭部の歯の内側に隠れる、上総(かずさ)の獅子に見られる特徴で、前丸森で拝見した横戸
家の獅子と同じ構造になっている。眼や頬の隆起が大きく眉や耳の形も前丸森と共通しているが、並べてみ
ると異なる風貌である。前丸森と菅の獅子が並べてある写真が壁に貼られてあった。以前、両所の獅子を並
べて懇親会を行った時の写真だそうだ。菅の獅子に横戸林蔵氏の記名を確認したことにより、二頭共に前丸
森の横戸家由来の獅子頭であることが分かった。後日、横戸氏の神楽獅子に詳しいという本家の方に話を聴
取したいと考えている。





 郷土史会での懇親会での神楽獅子のツーショットの写真

2025/08/08 16:50 (C) 獅子宿燻亭10
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