▼上山市小倉地区棚木の獅子頭2025/08/13 08:59 (C) 獅子宿燻亭10
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2025年7月21日
上山小倉地区棚木の集落は蔵王山嶺の小高い地形に囲まれた丘陵地で、さすがに今年の7
月の快晴の暑さだと気温は下界と変わらないが、湿度は低く爽やかに感じた。酷暑の上山市
内から徐々に高度を上げ、蛇行した道を進むと沿線に両所神社、権現堂などの寺社や石碑が
連なっている。蔵王山や温泉に向かう街道として栄えた記しの遺構が当時を偲ばせる。
上山市史の情報とひょんなご縁で、棚木地区に伝わった神楽獅子と神楽面を取材する機会
を頂戴した。この偶然も獅子に呼ばれた感があるのだ。
以前神楽を行なっていた方と親方(太夫)の加藤長之助の息子さん、太夫のお孫さんが対応
して頂いた。そのお孫さんが上山の公民館にお勤めで、先月地区の方と当店にご来店の際、
棚木神楽の話題になった事が発端になった。
公民館の専用の棚に獅子頭や道具類が30年時が止まった様に安置されていた。
もう棚木神楽が最後に演じられた事も定かではなかった。棚木神楽の写真や動画の存在も
心当たり無いので残念である。
顎ひげのパターンも獅子頭の作風の要素になる
棚木神楽は明治時代後期から始まったとあり、それ以前は馬頭(うまどう)という催事があ
り、馬頭は農耕馬の供養であり農作業の終わりに、収穫祝いと馬への感謝を込めて慰労会が三日
も行われた。その慰労会で芸好きな者達が始めたのが棚木神楽の始まりだという。
棚木の西北部、地図で見ると直線距離にして2kmの近場に以前取材させて頂いた山形市上野神
楽がある。新しい蔵王の道の駅オープニングイベントで上演されたのを目撃している。
上野神楽太夫の高橋氏宅で取材させてもらい獅子頭や神楽面、衣装などを拝見している。
上野神楽は㊀餌鷹神楽から伝承された神楽一派で、同様に上山の㊀月岡城御用神楽からも、神
楽指導や影響を受けたものと推測する。
石崎神社の獅子頭 塩坪 伊藤善蔵の作の可能性が考えられる
獅子頭は棚木地区から更に上の塩坪集落に住むの伊藤善蔵氏の作と明記されている。作風を見
ると、上山市石崎神社の一対の獅子頭の一つに類似している事に気づく。獅子頭を拝見しながら
偶然用意していた石崎神社の獅子頭を比較してみると一同頷いた。大太鼓や締め太鼓、鉦、笛は
明笛が二本保管されていて明笛とは中国は明時代に伝わってきた篠笛である。許可を貰い音色が
出るか試しに吹いてみると、えも知れぬ音色が響いてきた。失われてしまった神楽の残り香の様
だった。10月からの獅子頭展での展示のお願いを申し出て、棚木公民館を後にした。
帰り道、一緒に同行してくれた中学生の助手山口君と上山市内から葉山温泉背後の山際に葉山
神社と思われる屋根が見え気になっていたので葉山温泉に入ってみた。久しぶりに狭く急斜面の
温泉街に訪れてみるが、葉山山頂の入り口は見つからず次回訪れる事にした。