▼上山市高松地区の獅子頭2025/08/13 14:42 (C) 獅子宿燻亭10
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2025年8月7日
上山市は高松集会センターに訪れた。
地区長さんにお願いして消防団で行なっている「獅子廻りの獅子頭」を拝見できた。
2018年㊀月岡城御用神楽の太夫だった故 佐藤多美夫氏から高松地区の某家に以前所
蔵していた神楽の獅子頭三頭の一頭を譲ったとされる話から、その某家にまず書面で連
絡を取ったが、戻ってきてしまった。高松観音の光明寺さんのご好意で某家のご親戚に
連絡を取っていただいたが、現在は空き家となった家の確認は無理となった。
しかし、高松地区で葉山神社の例祭に合わせ、地区の消防団員で獅子頭でもって火伏せ
厄払いを行なっていることが分かった。佐藤太夫家から伝わる獅子が、火伏せの獅子に
用いられている可能性もあり期待が高まった。
慶應元年元旦、山火事の火が高松観音に燃え移りお堂が焼失したが、別当寺光明院の住
職が本尊を運び出し事無きを得た。火災の原因は山守が元旦の酒に酔って失火した為で、
後日、山守は悪疫にかかり亡くなったという伝説があるという。
佐藤太夫家が神楽の獅子を高松の某家に何故譲渡したかの話をされた時、「獅子頭は祟
られた獅子だったから・・」という話を思い出し高松観音の焼失と何か関わりがあるので
は無いかと考えたのである。
獅子頭一頭は集会センターの一室に保管されていた。
側には獅子廻しの際打ち鳴らす締め太鼓があった。獅子頭は佐藤太夫家で拝見した獅子頭
の伝統的な神楽獅子とは様式が違い、作られた年代も若いもので石崎神社の一対の丸みの
ある獅子頭をモデルにして創作された様に思われた。
「獅子廻し」とは、一軒一軒馴染みの家を巡り演目をする門付の神楽獅子と異なり、数人
で獅子をもって玄関に訪れ、「歯噛み(はがみ)」をして御祝儀を頂くに尽きるもの。
置賜では米沢や高畠、川西各所で確認している。実際に、その高松地区の獅子廻りの様子
の動画も写真も無いので来年取材してみたい。
㊀月岡城御用神楽については
神楽
神楽は、神前で心霊を慰めるためのものである。本来は季節毎におはらいをし、家内安全
を願い無病息災、火の用心と合わせて商売繁盛や悪魔退散などを戸ごとに行なってきたもの
である。最初は鎮魂(みたましずめ)を祈る所作であったが、現在はかなり余興化している。
上山市には昔から㊀(まるいち)大々神楽があり、現在佐藤多美夫氏が太夫として継承して
いる。掛け合い万歳、おかめひょっとこ、獅子舞、曲芸を奉納演舞する。この神楽は、神社
仏閣の祭典や縁日に頼まれて奉納するだけでなく、春夏秋冬に分けて各部落を歴訪し、定め
られた民家を宿とする。翌日は朝早くから各戸を訪問して獅子舞を演じる。その時獅子頭は
大きな口を開けて家人一人一人の頭を噛む真似をする。これは神の力によって無病息災を念
じる呪(まじな)いの一つであると信じられている。この㊀神楽は、毎年一月三日上山城で
上演される。 上山、棚木地区の神楽も、内容はほとんど同じである。現在、保存会を結成
し建前のおはらいの際に演じている。演者は農家の方々で、役割が決まっている。お面は江
戸時代からの古い立派なものである。
昭和61年1月1日 特別展「民具展ー上山の信仰」
上山城管理公社 萩生田憲夫 湯上和気彦 著作 より引用させていただきました。
上記の㊀月岡城御用神楽について佐藤多美夫氏より棚木や高松、狸森の神楽について当時、
予備知識が無く話を引き出すことが残念でならない。
歯噛みとは頭を噛む真似であり、頭を噛む所作は伊勢や熱田系神楽と出羽三山信仰の擬死再
生観が融合した所作に思われる。獅子に頭を噛まれる事は仮の死を意味し、獅子の歯噛みから
再生し、体内の厄も浄化され新たに蘇るという意味が歯噛みの所作に含まれているという説も
ある。獅子が頭を噛む所作は単純に厄払いの呪いだけでは無く、本来の意味がありそうだ。