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▼今年の春とスポーツの暴走の時代

4月になりました。今年は雪がとても少なく、例年では残雪がまだたくさんあるのに、国道348号線沿いにはもうほとんどありません。やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。例年雪かきであちこち痛いと言ってクリニックに来院される患者さんもそう多くはなく、最近では、草取りしてあちこち痛いという人が目立ってきました。今まではこの時期ではまだ草むしりして痛いという人は来たことがありませんでした。話を聞くと、今年は雪がなくて畑の雑草がもうたくさん発育して、それを取り除くのが大変なのだそうです。雪があればあったで大変で、なければないでまた大変。「雪は春になったら解ける。草は冬になったら枯れる。自然に逆らっては、体を壊すだけだよ。」といっても、農業で生計を立てている人にはそういうわけにはいかないのですね。一生働き続けないといけない。私ももう還暦。かなり疲れてきましたが、外来で「先生がいないと困る。」とよく言われます。私も一生働き続けないといけないのかなと思うと同時に、クリニックの必要性、存在意義を感じてます。
白鷹町は人口の3割以上が65歳以上の高齢者になりました。それに伴ってクリニックで診る疾病もだいぶん変わりました。今では、骨祖鬆症、ロコモティブシンドロームの方が大変多いです。しかし、毎年変わらないのは、小中学生の疾患です。冬になるとあちこちの小中学校から指の捻挫、指の骨の剥離骨折が次々とやってきます。ここら辺の小中学校は冬になると体育でバスケットボールをするようです。けがをする子供は頻度的には100〜150人に1人位ではないかと思われます。毎年、必ずけがをする生徒がいると分かっていてなぜバスケットボールを続けるのか理解に苦しみます。
4,5,6月は中学生の来院が増えます。中体連のための練習、練習試合で体を酷使しすぎての障害や、外傷が多いです。「100万円くれるというなら練習や、試合に出てもいいけど、そうでなければ休んだほうがいいよ。」と私はいつも言うのですが、親が黙っていません。「この子にいい思い出を残してあげたいので、何とか何日後までには治してほしい。」という言葉をよく言われます。『いい思い出を残したいのは子供ではなく親のほうでしょ。子供との思い出のために子供に苦しい思いをさせるのはやめなさいよ。』と私は思うのです。事実、20代の若者に「中学校の部活動でいい思い出ありましたか?」と聞くと、ほとんど「忘れた。」と答えます。
今の日本は「スポーツをするのであれば何でも許される、スポーツはすべてにおいて正しい!」という行き過ぎた考えにあふれています。世界的にも「スポーツの暴走」の時代なのです。今回どこかの県議会議員が春の選抜高校野球大会に出場する選手たちに「一回戦で負けろ。」と言ったというので、テレビの全国ニュースで「とんでもないことだ。」とほぼすべてのテレビ局が避難しています。これこそ、スポーツの暴走時代を象徴する行き過ぎた批判だと思います。
スポーツを神聖化するようになったのはマスコミです。「スポーツをするのであれば何でも許される、スポーツはすべてにおいて正しい!」はマスコミの考えです。間違ってますよ。
 ほんとにマスコミ(医者の世界ではマスゴミと言っています。)は、ゆがんだ報道をするようになった。このまま許しておいてはいけないと思います。最近は事ある毎にそう思っています。

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