▼日曜随想10月分2010/11/01 10:50 (C) Planning Kaori 浅倉かおり
▼>ラポールさまコメントありがとうございます。
ほんとに一人用の家なので、 こじんまりとしております(笑) 一生はあっという間ですから、 自分なりの工夫で 少しでもすてきな人生にしたいです♪ 2010/11/03 11:43:kaori
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昨日の山形新聞。
日曜随想は私の担当でした。
タイトルは「家づくり」を通して。
まだお手元にある方はお読みくださーい。
画像は名月荘のお蔵で行なった
カンボジアを紹介する
「アンコールカフェ」の画像。
手前がテブットさんです。
元気かな〜♪
こちらは前回掲載分です。
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「幸せの在り方」
去年の暮れ、友人たちとカンボジアへ旅行に行った。
世界遺産のアンコールワットや、
巨大な観世音菩薩の四面像がある
アンコールトムなどの遺跡はどこも見応え十分。
時の王によって信仰の対象が変わったため、
ヒンズー教と仏教が融合した独特の宇宙観が形成され、
人々の歴史や神話をモチーフにした壁画が
ありとあらゆるところに彫られている。
ひと通りすべて鑑賞しようと思ったら、おそらく数日かかるだろう。
その大きさ、数の多さだけでも驚くし、
「いったいどこから作ったの?どうやって作ったの?」と、
小学生のような質問を何度も
ガイドさんになげかけ笑われるほどだった。
人間が持つ気力や技術は本当にすばらしい。
出発するまで、私が知っていたカンボジアのキーワードは
「地雷」と「貧困」しかなかったが、
かつてはフランスの領土で
「東洋のパリ」と称された国だったという。
すべてがめちゃくちゃになった原因は
1975年から始まったポル・ポト政権だ。
僧侶、医者、教師、芸術家といった
技術を持つ者から始まりやがては無差別に、
約二百万人から三百万人近く
(正確な数字は分かっていない)が虐殺された。
知識を持たない子ども達が優遇され、
医者や兵士に仕立てられ、悪魔の指令に従っていたそうだ。
この旅行のきっかけは、
20年近くカンボジアの支援活動を行なっている
国際ボランティアセンター山形(通称IVY)とのご縁だった。
そして9月中旬、
現地でお世話になったツアーガイドのテブットさんが、
IVYの招待ではるばる日本へやってきた。
到着後は東京タワーとビックサイトを見学し、
山形では蔵王の露天風呂を初体験。
私も久しぶりの再会となり、一緒に食事にでかけた。
お店に行く途中、自動販売機を見つけたテブットさんが、
「おつりが間違ってでてきた時はどうするの?」と聞いてきた。
「おつり?おつりは間違えないよ。
ごくたまに別のジューズが出てくることがあるけど、
たぶん99%間違えないと思う」と答えると、
「ふーん」と不思議そうな顔をする。
「日本の会社は定期的にメンテナンスをしているから、故障が少ないのよ」
と説明すると納得したようだった。
その翌日は『アンコールナイト』と題したトークイベントも開催。
テブッドさんがカンボジアの魅力などを流暢な日本語で紹介し、
私も司会と聞き手役で参加させていただいた。
「日本を見た感想は?」と質問すると、
「第二次世界大戦から60年ちょっとしか経っていないのに、
こんなに高い建物がたくさんあって、すごい。びっくりした」
という答えが返ってきた。
ポル・ポト政権後から約30年が経ち、
いま首都プノンペンには洗練されたホテルや
レストランもたくさんできたが、
未だ地方は医療や設備が行き届かず、
貧困の中で暮らしている人々がたくさんいる。
一方日本は広島と長崎への原爆投下後、
約20年で東京オリンピックを開催し、
その6年後にはアジア初の万博博覧会を行なった。
それぞれの国がおかれた環境に違いがあるとはいえ、
熱心さ、丁寧さ、正確性、気骨さなど、
日本民族特有のエネルギーがあったからとも言えるだろう。
ものすごいスピードで成し得た経済大国、
消費大国というポジション。
けれど、これが理想的な再興のかたちだとは思ってほしくない。
カンボジアの田舎で見た、
小さい子どもが裸ん坊で走りまわり、
一般の道を牛も歩き、
隣の家の人が今日は何をしているのか何となくわかっちゃう暮らし。
お金を欲しがる子どもたちの目は必死だけれど、
そこにズルさや暗さはなく、
大人も純朴な笑顔の人たちが多かった。
おつりを間違えない自動販売機を作ること以上に、
本当に間違えてはいけないことー。
28歳のテブットさんにうまく説明はできなかったけど、
日本とは違うアプローチで、幸せの在り方を見つけてほしい。
本当に勝手な思いだけれど。