▼山と人の物語 vol.7 『苗を植える、その先の30年』2025/06/01 19:10 (C) 森の恵み・山師からのお便り
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はじめに
森を育てる──それは、今を生きる私たちが、
まだ見ぬ未来の誰かのために手を動かすことです。
伐ったら、植える。
それが山を守り、次の世代に引き継ぐという約束。
今回は、私たちが取り組んでいる植林と育苗の現場から、
「森づくりの未来」と「山に託す願い」をお届けします。
植えることは、未来への投資
伐採した山に、再び命を戻す作業──それが植林です。
斜面に登り、一本ずつ苗を手で植えていく作業は、
見た目以上に体力と根気が必要です。
根がしっかり張れるように、土の深さや角度を考えて、
一つひとつ丁寧に植えていきます。
植える間隔や本数、傾斜や日当たりも見ながら、
“この山がどう育っていくか”をイメージしながらの作業。
今日植えた木が、再び収穫されるのは30年後。
自分がその姿を見届けられるとは限りません。
けれど私たちは、
その時に喜んでくれる人がいることを信じて、今日も苗を植えます。
苗を育てる、地域とともに
山に植える苗は、育苗ハウスで育てられています。
冬の間もビニールハウスの中では、
適温を保ち、自動潅水で水を与え、丁寧に管理された苗たちが育っています。
苗を育てるということは、未来の森の基礎を整えるということ。
私たちはコウヨウザンなどの苗木生産にも取り組みながら、
地域の方々と協力し、山と地域を同時に育てるプロジェクトを進めています。
ただ木を増やすだけではありません。
人の関わりがあることで、
その苗一本一本が“役割”と“意味”を持つのです。
30年後の森を想像する
30年後──
今日植えた木が、誰かの手で伐られ、また新しい命に変わっている。
それは薪かもしれないし、建材かもしれない。
もしかしたら、まだ見ぬ子どもたちの働く場所になっているかもしれません。
「この木が育つ頃、私は何をしているだろう」
そんな想像が、森と向き合う私たちの背中を押してくれます。
山は、長い時間をかけて、
人の暮らしを支え、働く場をつくり、
そしてまた次の誰かにバトンを渡していきます。
おわりに
苗を植えるということは、
未来に対して「私はここにいた」という証を残すことでもあります。
その木が育ち、誰かの役に立ち、また次の苗が植えられる。
そんな風に続いていく山の循環の中で、
私たちもまた、今という時間を精一杯生きています。
次回は、山で生まれる“学び”や“体験”をテーマに、
子どもたちや地域とのつながりを描いていきます。
どうぞお楽しみに。