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▼図書館の蔵書に埋もれた獅子頭

図書館の蔵書に埋もれた獅子頭/
図書館で各地の民族系の古い資料を調べると、ひょっこり獅子頭が現れる事がある。
中山町を調査した「平成12年度明治大居駒ゼミ調査報告書」なるものを発見した。
パラパラとめくると、不明確な獅子頭の写真があり小塩地区の某氏宅の屋敷神に伝わる獅子頭
だった。某氏宅屋敷神の祠にはオシラ様、山の神、不動様の木像が祀られている。昔、その屋
敷から東南100メートル行ったところに大きな法印様(山伏)の屋敷があった。そこから木像
と獅子頭を譲り受け、屋敷の一画に祀ったと伝えられている。下見に行った時、その祠は見当
たらなかったが、グーグルアースで調べる道沿いに祠が二つ確かに確認出来た。



後日その家を訪ね、当主の方に願い獅子頭を拝見することが出来た。祠は老朽化の為に既に解
体して倉庫の一カ所に保存されていた。目的の獅子頭は頭部だけで耳穴も塗りも無く、彫りが
けの獅子頭と思われる。







後部の木口から眉にかけて割れてアリ継ぎで固定しようとしている。
大きな節目も有り、鼻の下の前歯が大きく欠損しいる。比較的大型の獅子頭木地は、以前制作
朝日町した杉山の獅子頭と似ている様式である。






一風変わった不安定な坐像仏の背中に「ごんげん」と張り紙がある。不動尊立像は手が欠損し
彩色も著しく剥離しているが、所々多彩な着色痕が見られる。長期間半屋外での保管により保
存状態が良好とは言えない。以前は4月28日に例祭を行なっていたが、現在では訪れる人もな
い。

いつもながら突然の取材にも関わらず、当主の方には快く対応して戴き感謝感謝である。


2020/03/01 09:24 (C) 獅子宿燻亭8
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