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▼なぜ、農村では自民党が?

稲作農家がこれだけ痛めつけられているのに何故農村では自民党が支持されるのか?こんな質問が寄せられました。それに充分に答えられる自信はありませんが、以下のことは背景の一つにあると思います。

 長年続いて来た農業、農村に対する政府・自民党からの強い締め付けと、補助金による脅しです。まず、締め付けですが6年前の参議院選挙を覚えてませんか?
2013年1月の参院選はTPPへの反対運動が燃え上がり、山形県農政連も初めて野党候補を推薦しました。事件があったのはその選挙が終わった直後の1月30日です。コメの販売手数料に関わるカルテル疑惑で公正取引委員会の立ち入り調査が山形県庄内地方の5農協に入りました。農協のコメ事業の中枢への攻撃でした。きわめて露骨で、関係者ならずとも誰もが「政治的報復」であると思いました。そう思わせただけで充分な効果があったのだと思いますね。その後、農協の「忖度」が行われるようになりました。

これもTPP含みですが2014年12月14日の衆院選で、福井県農政連の県下の12農協のうち11農協が与党支持ではなく、中立の立場で臨みましたが、その直後の2015年1月16日に、農業用施設の改修工事の落札業者に関わることで公取がJA福井県経済連に入りました。これ等は見え見えの「見せしめ」です。この事件を通してJAは政権与党への表立った反対ができなくなりました。

 次は補助金による脅しですが、山形県で見ることができるのは土地改良事業についてです。水田の大規模化を目的とした農地の基盤整備事業が全国的に進められていますが、その予算はほぼ100%が国の農林予算から出されています。その事業の推進を政治的に利用しながら与党国会議員の後援会への加盟を勧めています。「後援会への集まりが悪いと事業への予算は流さないぞ」などと露骨に恫喝しながら。
こんな「見せしめ」や「脅し」が中核農家などが集まる場でなどで繰り返されてきました。それに屈したJAや中核農家が集票マシーンとなって働いたわけですが、でも、多くの小農たちは必ずしも彼らの言うとおりに動いていませんでした。これが山形県の結果に表れていると思います。「見せしめ」や「脅し」がかつてほど機能しないのは、農家の離農が促進された近年の新しい傾向だと思います。

 かつて土建業を中心として、働き手である農家へ圧力をかけていましたが、今はこれも、働きに行く農家自体がいなくなっていて、その事例はあっても少数です。
JAにもかつてほどの求心力はありません。
北陸などの票の流れは、農民票というよりも、例えば福島の人たちはあれだけ痛めつけられているのに、なぜ依然として自民党に投票するのか。あるいは都市部にあっても無権利状態に置かれている若者たちはなぜ、自民に・・。ここから迫った方がより適確かとおもいます。

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