ヤマガタンver9 > 小うるさい京都のセミ

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▼小うるさい京都のセミ

 
 昨年の夏。暑い京都の町を歩いていた時のこと。ガシガシガシ・・、これは何の鳴き声だ?えっ、セミ?これがセミか!まったく風情がないではないか。ただうるさいだけだ。ガシガシガシ・・それにまわりと協調せずにあたりを圧倒しようとする、なんというか・・京都に似つかわしい下品なセミだ。
その点、山形のセミはどこか控え目で、哀愁感さえ感じてしまう。セミの鳴き声にまで山形の風土の優しさ、上品さが生きているということか。
セミにまで・・もちろん、人間は言うに及ばず・・とう言葉が抜けていましたね。
 京都というのは常に日本史の中心で、東北、羽前(山形県)などというのは京都に言わせれば蝦蟇(がま)の一字をもって「蝦夷(えぞ)」と蔑んできたように、人間の住むところとは考えていなかった。歴代の朝廷が京都から送ったのは征「夷」大将軍が率いる軍隊。東北は攻めの対象、征服の対象でしかなかったということだ。それにもかかわらず一度たりとも東北、山形は、京都に攻め入ったなどということはなく、幕末の 会津藩のように、逆に京都を守ってやって悪者にされてしまうという貧乏くじばかり引いて来た。
ガシガシとただうるさいだけのセミの中にも、ある種の傲慢さを感じ、さらに不愉快になってしまうのは東北、山形県の中でも性格がまっすぐな俺だけかな。 
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