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▼夏

 暑い夏がやってきました。今年は例年以上に天気がよく暑い日が続いています。体力の低下した高齢者が入所している白鷹あゆみの園では、脱水、熱中症に注意しなければならない季節です。高齢者は、体の水分量が減少しており、暑いと体表から水分が蒸発して若い人より脱水症になりやすいのです。さらに脳にある口渇中枢が年とともに鈍感になっていき、脱水状態でも、のどの渇きを覚えないという状態になるので、突然倒れてしまうという事が起きるのです。白鷹あゆみの園では今年も「飲みたくもないのに何で飲ませるんだ!」という高齢者の方の声があちこちで聞こえています。
 私は夏が大好きです。外に出てむっとする暑さを感じると、もう50年近く前の小学生時代、夏休みに毎日遊びまわった感覚がよみがえってきます。結婚して子供たちが小さかった時は女房の実家が海のそばだったので、毎年泊りに行って海で泳ぎました。また、いとこが青森にいるのでねぶたの時に泊りに行ってみんなで「ラッセラー」と掛け声をかけながら踊りました。楽しかった。
 私の趣味はバイクなので夏休みにバイクで走り回り、四国にまで行ったりしました。しかし、夏のバイクは我慢大会みたいなものです。30℃以上の風を全身に受けながら何時間も走ると暑い!我慢できなくなってバイク用ジャケットを脱ぎ捨てて走ると今度は体表から水分が奪われ、1時間も走っていると脱水でぐったりしてしまう。皆さん、ドライヤーの風を全身に1時間受けていることを想像してみてください。そういう感じです。日焼けなんて大したことがありません。さらに私の乗ってきたバイクは排気量の大きいバイクばかりなので (今所有しているのは排気量2300ccもある)、夏はエンジンの熱がまともに股ぐらや顔にまで登ってきてものすごく熱いです。信号待ちしている時は熱さでバイクを降りたくなるほどです。しかし、そういう時に乗るのがバイク野郎の真骨頂です。「男は我慢」を地で行っています。
 この文章は、休日診療所で診察の合間に書いています。今日は休日診療所の当番です。最近つとに休みがなくなりました。高校教師だった父が「人は上に立てばたつほど忙しくなり、休みがなくなる。」と言っていたのを思い出します。残り少ない人生、仕事に追われるのは人生を捨てているような気すらします。今日もとても天気がいい。クーラーの効いた部屋で、外の明るい日差しを見ているのは、監獄に入れられてるみたいな気になります。医者として世のため人のため頑張るしかないと自分に言い聞かせています。

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